こんにちは。マーケティング・経営コンサルタントの新井です。
私は中小企業に特化し、全国各地の中小企業の経営者様に、マーケティングの戦略から実行を中心に、経営やメンタル面まで、経営者の抱える課題全般の解決のサポートをさせていだいています。これまで200社以上のコンサルをさせていただいており、日々全国各地を訪問しています。
今回のテーマは「中小企業のリスクマネジメント:事業継続の要」です。
中小企業にとって、リスクマネジメントは事業の存続と成長に不可欠です。適切なリスク管理により、予期せぬ事態に備え、被害を最小限に抑えることができます。本ブログでは、中小企業のリスクマネジメントについて、リスクの種類、事前準備、発生時の対応に分けて解説します。
リスクの種類
中小企業が直面する主なリスクは以下の通りです
財務リスク:資金繰り悪化、取引先の倒産など
運営リスク:人材不足、技術革新への対応遅れなど
自然災害リスク:地震、台風、洪水など
情報セキュリティリスク:データ漏洩、サイバー攻撃など
法令違反リスク:コンプライアンス違反、労務問題など
風評リスク:SNSでの批判拡散、製品トラブルなど
これらのリスクを正しく認識し、対策を講じることが重要です。
リスクに備えた準備
リスクは起きないに越したことはありません。ただ、もしリスクが起きてしまうと、準備をしていなければ大変なことになります。リスクが起きてしまうことを想定して準備をしておくことが重要です。リスクに備えた準備の主なものは以下のようなものがあります。
リスク評価とBCP(事業継続計画)の策定
自社のリスクを洗い出し、優先順位をつける
BCPを策定し、定期的に見直す
最近はBCPを策定している中小企業も増えています
財務基盤の強化
適切な資金管理と予備資金の確保
取引先の信用調査の実施
特に規模の小さな企業にとって貸し倒れは致命傷になりかねません
人材育成と組織体制の整備
従業員教育の充実と多能工化の推進
権限委譲と意思決定プロセスの明確化
「人」に仕事をつけるのではなく、「仕事」に人をつけるようにしていくことは成長の過程においても重要です。そのためにもプロセスや仕組みは重要になります。
情報セキュリティ対策
セキュリティポリシーの策定と従業員教育
定期的なバックアップとシステム更新の実施
今後ますます重要になる対策です
コンプライアンス体制の構築
行動規範の策定と周知徹底
内部通報制度の整備
保険加入によるリスク移転
事業内容に応じた適切な保険への加入
時間と労力と費用はかかりますが、備えあれば憂なしです
危機管理体制の整備
緊急時の対応マニュアルの作成
定期的な訓練の実施
マニュアルは必ず作りましょう
リスクが起きてしまった時の対応
迅速な初動対応
事実確認と被害の最小化
関係者への連絡と情報共有
必要に応じて専門家や当局への相談
透明性の高い情報開示
事実関係の明確な説明
原因究明と再発防止策の公表
ステークホルダーへの適切な情報提供
リスクPRとしては、不祥事などの問題が起きたら、まず出来るだけ速やかに発表することが望まれます。そして事実を正しく伝えることが重要です。
事業継続のための対策実施
BCPに基づく代替手段の迅速な実行
業務プロセスの見直し
弁護士等の専門家への相談
コンプライアンス違反等の場合は自主申告制度の検討
従業員とのコミュニケーション強化
顧客・取引先への 誠実な対応と適切な補償・賠償の実施
原因分析に基づく具体的な改善策の実施
中小企業のリスクマネジメント:事業継続の要
予期せぬ事態が起きた時、リスクマネジメントが機能するかどうかは、平常時からの準備と、有事の際の迅速かつ適切な対応にあります。リスクを完全になくすことは難しいですが、適切に管理することにより、マイナスの影響を最小限に抑えることができます。
中小企業にとっては、リスクマネジメントは単なるコスト要因ではなく、事業継続の要です。軽視すれば、不祥事など大きな問題が起きた時には、倒産するケースすらあります。一方、リスクマネジメントをしっかり行うことは、経営基盤の強化と企業価値の向上にもつながります。平常時にこそ、効果的なリスクマネジメント体制を構築し、持続可能な成長を目指しましょう。
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